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金・貴金属

金を売ったら税金はいくらから?50万円の控除・5年の区分・支払調書の考え方

金の延べ棒や金貨、アクセサリーを売ったとき、税金がかかるかどうかは「何を売ったか」と「いくらもうけたか」で変わります。50万円の特別控除、5年を境にした区分、200万円を超えたときの支払調書まで、国税庁の案内をもとに整理します。

金・貴金属の宅配買取イメージ

金の相場が高いと、引き出しの奥のネックレスや、親から受け継いだ金貨・延べ棒を売ってみようかと考える方が増えます。そのときに必ず気になるのが「売ったお金に税金はかかるのか」「いくらから申告が必要なのか」という点です。金は売る物の種類によって税金の考え方が分かれ、さらに、もうけから差し引ける控除や、持っていた期間による違いもあります。知らないまま大きな金額を受け取ると、あとで申告漏れを指摘されることにもなりかねません。この記事では、国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令等)をもとに、金を売ったときの税金の基本を、計算の流れと確認すべき点に絞って解説します。個別の判断は、最後に紹介する相談先で確かめてください。

金を売ったお金は「譲渡所得」になるのが原則

国税庁の「No.3161 金地金の譲渡による所得」によると、金地金(延べ棒)や金貨を売って得た所得は、原則として譲渡所得になり、給与など他の所得と合わせて計算する総合課税の対象です。株のように売却益だけを別に計算して決まった税率をかける仕組みではない、という点をまず押さえておきましょう。

ただし、営利を目的に継続して売り買いしているような場合は、実態に応じて事業所得や雑所得になるとされています。また、金の現物ではなく「金投資口座」や「金貯蓄口座」の利益は扱いが違い、20.315%の源泉分離課税です。この記事で扱うのは、手元にある現物の金を買取業者に売る場面です。

アクセサリーは「1個30万円」が分かれ目

指輪やネックレスのような身の回りの品は、延べ棒とは考え方が少し違います。国税庁の「No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法」では、家具や衣服など生活に通常必要な動産を売った所得は非課税とされています。ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものは、この非課税から外れます。

売る物税金の考え方確認したいこと
金の延べ棒・金貨原則として総合課税の譲渡所得買った値段と時期、売った金額
1個30万円以下のアクセサリー生活用の動産として非課税になり得る1個(1組)ごとの売却額
1個30万円を超えるアクセサリー非課税から外れ、譲渡所得になり得る買った値段・時期と、もうけの額
継続的な売買実態により事業所得・雑所得売り買いの頻度や目的

まとめて売ると合計額は大きくなりますが、アクセサリーの30万円は「1個または1組」で見る基準です。切れたネックレスや片方だけのピアスのように、1点ごとの金額が小さい物を整理するなら、税金を心配しすぎる必要はない場合が多いでしょう。壊れた物の売り方は壊れた金・貴金属でも売れる?で解説しています。

税金がかかるのは「もうけ」から50万円を引いた部分

譲渡所得になる場合も、売った金額にそのまま税金がかかるわけではありません。まず、売った金額から、買ったときの値段(取得費)と売るためにかかった費用を引いて「もうけ(譲渡益)」を出します。そこから、その年のほかの総合課税の譲渡益と合わせて最大50万円の特別控除を差し引けます。もうけの合計が50万円以下なら、譲渡所得はゼロになります。

さらに、持っていた期間でも扱いが変わります。持っていた期間が5年以内なら短期譲渡所得、5年を超えるなら長期譲渡所得で、長期の場合は控除後の金額の2分の1だけが課税の対象になります。たとえば、仮に売った金額が300万円、買った値段と費用の合計が150万円なら、もうけは150万円です。そこから50万円を引いて100万円、5年を超えて持っていたなら、その半分の50万円がほかの所得と合わせて計算されます(数字は説明のための仮のものです)。

買った値段が分からないときは「売った金額の5%」

実家から出てきた金貨や、何十年も前に買った延べ棒は、領収書が残っていないことがよくあります。国税庁の「No.3258 取得費が分からないとき」では、昔に買ったなどの理由で取得費が分からない場合、売った金額の5%相当額を取得費にできる(概算取得費の特例)と案内されています。この解説は土地や建物を例にしていますが、譲渡所得の計算で使われる考え方です。

5%しか差し引けないので、実際に買った値段が分かればそちらのほうが有利になることがほとんどです。購入時の領収書や、金を扱う会社の取引明細、通帳の記録などが残っていないか、売る前に探してみてください。また、相続や贈与で受け取った物は、亡くなった方や贈った方が買った値段と時期を引き継いで計算するのが原則です。親の遺品を売る場合は、親がいつ、いくらで買ったかが手がかりになります。

200万円を超えると業者から税務署に「支払調書」が出る

国税庁の「F1-42 金地金等の譲渡の対価の支払調書」の案内によると、平成24年1月1日以降、金地金などの売買を業とする者が、国内で金地金等を買い取って200万円を超える対価を支払う場合、税務署に支払調書を出すことが義務づけられています。対象は金・白金の地金や金貨・白金貨などです。

支払調書を出すのは買取業者で、売った人に新しい手続きが増えるわけではありません。ただ、200万円を超える売却は税務署が把握できる仕組みになっている、ということです。各地の国税局は、金地金等の譲渡による申告漏れの調査状況を公表しています。なお、回数を分けて売っても、申告が必要かどうかは1年間のもうけの合計で判断されるので、分けたからといって申告が不要になるわけではありません。

会社員の場合は、給与以外の所得の合計が20万円を超えるかどうかも、確定申告が必要かの目安になります。考え方は不用品を売ったお金に税金はかかる?で整理しています。

売る前に準備しておくと困らないもの

税金の計算で必要になるのは、「いくらで売ったか」「いくらで、いつ買ったか」「売るのにいくらかかったか」の3つです。売るときは、業者が出す買取明細(品物ごとの重さ・品位・金額が分かるもの)を必ず保管しておきましょう。宅配買取なら、査定結果のメールや画面を保存しておくと後で確認できます。明細の見方は金・貴金属の宅配買取ガイドで解説しています。

あわせて、売る前に相場の見方を知っておくと、税金を含めた手取りの見通しも立てやすくなります。金・プラチナを高く売るには?も参考にしてください。売るときには本人確認書類の提出も必要です。不安がある方は宅配買取に免許証のコピーを送るのは安全?を先に読んでおくと安心です。

よくある質問

Q. 金のネックレスを10万円で売りました。申告は必要ですか?
A. 1個30万円以下の身の回りの品であれば、生活用の動産として非課税になり得ます。ただし、ほかにも高額な物を売った場合などは判断が変わることがあるので、迷ったら税務署に確認してください。
Q. 金の延べ棒を売りましたが、もうけは40万円でした。税金はかかりますか?
A. その年の総合課税の譲渡益の合計が50万円以下なら、特別控除で譲渡所得はゼロになります。ほかに総合課税の譲渡益がある場合は合計して考えます。
Q. 親から相続した金貨を売る場合も税金がかかりますか?
A. 売ってもうけが出れば、譲渡所得として考えるのが原則です。取得費と持っていた期間は、亡くなった方のものを引き継いで計算します。相続税の申告が関係する場合もあるので、税理士や税務署に相談すると確実です。
Q. 200万円以下に分けて売れば申告しなくていいですか?
A. いいえ。支払調書は業者が出す書類で、申告が必要かどうかは1年間のもうけの合計で決まります。分けて売っても、必要な申告はなくなりません。

この記事は、国税庁の公開情報(令和8年4月1日現在の法令等)をもとにした一般的な解説で、個別の税務判断を行うものではありません。実際の申告については、最寄りの税務署や税理士にご相談ください。

金を売ったときの税金は、「何を売ったか」「もうけはいくらか」「何年持っていたか」の3つで決まります。売る前に買った値段の記録を探し、売ったら買取明細を保管する。それだけで、あとで慌てずに済みます。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。買取価格・条件は時期や商品の状態により変動します。最新情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。