宅配買取に免許証のコピーを送るのは安全?本人確認書類の扱いと確認点
身分証を見知らぬ業者に送ることに抵抗を感じる方へ。なぜ本人確認が必要なのか、どの送り方が安全か、送った書類がその後どう扱われるのかを整理し、不安を減らす具体的な工夫を紹介します。

宅配買取を申し込もうとして、最後の画面で手が止まる。「運転免許証の写真をアップロードしてください」——ここで不安になる方は少なくありません。顔写真も住所も生年月日も入った書類を、会ったこともない相手に渡すわけです。ためらうのはむしろ自然な感覚だと思います。とはいえ、この手続きは業者が勝手に求めているものではなく、法律で定められた義務です。この記事では、なぜ必要なのか、どう送るのが安全か、送ったあと何が起きるのかを順に整理します。仕組みが分かれば、不安のかなりの部分は整理できます。
本人確認は、業者の都合ではなく法律上の義務です
中古品を買い取る事業者は、古物営業法という法律にもとづいて営業しています。この法律は、盗まれた品物が中古市場に流れることを防ぐことを目的のひとつとしており、そのために「誰から買ったか」を記録することが事業者に義務づけられています。本人確認はその記録のために行われます。
つまり、身分証の提示を求めない業者のほうが、むしろ問題があるということです。「本人確認なしで買い取ります」という案内は、手軽さの表れではなく、法令を守っていない可能性を示す危険信号として受け取ってください。手続きが少し面倒に感じられても、それは正規に営業している証拠でもあります。少額なら確認を省ける例外とその対象外の品物は本人確認なしで売れる?で整理しています。
身分証の確認が盗品の流通を防ぐための仕組みだと分かると、別の心配も出てきます。自分で買ったものではない品物、たとえば家族からのもらい物や相続した品物を売るときに疑われないか、という点です。そのときに何を聞かれ、どう答えればよいかは買取で盗品と疑われない?本人確認が厳しい理由と、もらい物・相続品を売るときで詳しく扱っています。
なぜ「コピー」や「画像」まで求められるのか
店頭なら身分証を見せるだけで済むのに、宅配ではコピーや画像を求められる。この違いは、顔を合わせない取引(非対面取引)では、確認の方法が法令で細かく決められているためです。警視庁の案内では、非対面取引で認められる確認の方法が15通り示されています。その中に、たとえば次のようなものがあります。
- 身分証のコピーを受け取り、そこに書かれた住所へ転送不要の簡易書留などを送って届いたことを確かめ、さらにコピーに書かれた本人名義の口座に代金を振り込む方法
- 業者が用意したソフトで、本人の顔と写真付きの身分証を撮影した画像を受け取る方法(いわゆるオンライン本人確認)
査定のあとに身分証の住所あてに書留が届く業者があるのは、前者の方法をとっているからです(受け取れなかったときの流れは宅配買取で書留が届く理由で説明しています)。つまりコピーは、「書かれた住所に本当にその人が住んでいるか」を確かめるための出発点として使われています。受け取ったコピーや画像は、取引の記録と一緒に保存することになっています。
送り方によって、安全性は変わります
同じ「身分証を送る」でも、方法によってリスクの度合いは違います。申し込みの画面でどの方式が用意されているかを見れば、その業者の姿勢もある程度わかります。
| 送り方 | 安全性 | 備考 |
|---|---|---|
| 専用フォーム・アプリからの送信 | 高い | 通信が暗号化されている。標準的な方式 |
| 本人確認サービスの利用 | 高い | 撮影から照合まで専用の仕組みで完結する |
| メールに添付して送信 | 低い | 経路上に残りやすい。避けたい |
| 紙のコピーを同梱 | 中 | 返却の可否を事前に確認しておく |
判断の目安になるのは、アップロード画面のアドレスが「https」で始まっているかという点です。暗号化されていない画面で個人情報を入力させる業者は、この時点で見送ってよいと思います。また、メールへの直接添付しか方法がない場合も、慎重に考えたほうがよいでしょう。業者選びの目安については宅配買取は個人情報が心配?安全性と信頼できる業者の見分け方にまとめています。
免許証のコピーをメールで送ってほしいと言われたら
警視庁の案内に示されている非対面取引の確認方法には、身分証の画像をメールに添付して送るだけ、という方法は含まれていません。画像を使う方法は、業者が用意したソフトで撮影・送信するものに限られています。メールの添付ファイルは、送った側にも受け取った側にも残り、誤送信の心配もあります。
メールでの送付を求められたら、公式サイトにアップロードの画面やオンライン本人確認が用意されていないかを先に確かめてください。どうしてもメールしか方法がないと言われた場合は、その業者の古物商許可番号と会社の情報を確認し、納得できなければ利用を見送る判断があってよいと思います。
送った書類は、そのあとどうなるのか
提出した本人確認書類は、取引の記録として一定期間保管されます。これも法律上の要請で、業者が独自の判断ですぐ捨てられる性質のものではありません。「取引が終わったのだから今すぐ消してほしい」という要望が通らない場合があるのは、このためです。
一方で、保管の方法や期間、社内で誰が閲覧できるかといった点は、事業者ごとの取り扱いに委ねられています。だからこそ、プライバシーポリシーに保管の方針が書かれているかどうかが、判断材料になります。何も書かれていない、あるいはページ自体が用意されていない業者は避けたほうが無難です。渡した情報のその後については、買取業者に渡した個人情報は削除してもらえる?取引後の扱いを解説で詳しく扱っています。
店頭で免許証を撮影された・コピーを取られたとき
宅配ではなく店頭の買取でも、身分証をコピーしたり、カメラで撮影したりする店があります。対面の取引では身分証を見せて確認するのが基本ですが、取引の記録を残すために写しを取る運用をしている店もあります。古物営業法では、買取の記録(帳簿など)は最後に記載した日から3年間保存することになっています。
撮影されたことが気になったら、何のために撮ったのか、どのくらいの期間保管するのかを、その場で店に尋ねてかまいません。個人情報の利用目的は、事業者が本人に知らせるか公表しておくものとされています。また、マイナンバーカードを出した場合、番号が書かれた裏面を撮影させる必要はありません。
不安を減らすためにできる工夫
制度上避けられない部分はありますが、自分の側でできることもあります。過度に神経質になる必要はありませんが、次の点を意識しておくと落ち着いて進められます。
- 提出前に、その業者の許可番号を確認する——公式サイトに記載があるかを見る
- 撮影した画像を端末に残しっぱなしにしない——送信後は自分の端末からも削除する
- 使い回しのない連絡先を使う——専用のメールアドレスを用意しておくと管理しやすい
- マイナンバーが記載された書類は避ける——通常の買取で番号の提出を求められることはありません
最後の点は重要です。買取の本人確認でマイナンバーそのものを求められることは、通常ありません。もし提示を求められたら、その理由を尋ねてください(マイナンバーカードを出すときの注意は買取でマイナンバーカードを出すときの注意)。納得のいく説明がなければ、取引を見送る判断があってよい場面です。許可番号の確かめ方はその業者は本物?古物商許可を自分で確認する手順にまとめています。
それでも抵抗があるなら、別の手もあります
どうしても宅配で身分証を送りたくない場合、選択肢がないわけではありません。店舗へ持ち込めば、その場で提示して返してもらえます。手間はかかりますが、書類が手元を離れないという安心感はあります。店頭で身分証を忘れたときの扱いは身分証を忘れたら買取はできない?にまとめています。
ただし、店舗へ運べる量や品目には限りがあります。まとめて手放したい場合や、重量のあるものが含まれる場合は、宅配のほうが現実的です。不安の大きさと手間を天秤にかけて、自分が納得できるほうを選べばよいと思います。どちらの方法にも一長一短があり、正解が決まっているわけではありません。宅配で進める場合の全体の流れは送るだけ買取の基本|申し込みから入金までの流れを参照してください。
コピーを郵送しない本人確認を選ぶ
宅配でも、紙のコピーを箱に入れずに済む業者があります。身分証をスマホで撮影して画像をアップロードする方法や、身分証と自分の顔を撮影して照合する「オンライン本人確認」です。画像は送ることになりますが、コピーが荷物と一緒に配送の途中を移動することはありません。
たとえば本・CD・DVD・ゲームの宅配買取のネットオフは、マイページからの画像アップロードか、運転免許証またはマイナンバーカードと顔を撮影するオンライン本人確認のどちらかで手続きする、と公式サイトで案内しています(2026年10月時点)。一方で、毎回コピーの同封を求める業者もまだ多くあります。どの方法が使えるかは、申し込む前に各社の「本人確認」のページで確かめてください。オンライン本人確認の流れと撮影のコツはオンライン本人確認とはにまとめています。
売る物が決まっているなら:品物別のガイド
本人確認の仕組みが分かって不安が落ち着いたら、次は何をどこに送るかです。品物によって、値段がつく条件も向いている業者も変わります。売りたい物に近いものから読んでみてください。
| 売りたい物 | 読む記事 |
|---|---|
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よくある質問
- 免許証を持っていません。他の書類でも大丈夫ですか。
- マイナンバーカードやパスポートなどが使える場合が多いですが(健康保険証は、新規の発行が終わったことにともない、本人確認書類として扱わない業者が増えています)、何が認められるかは業者ごとに決まっています。使える書類の一覧は学生証で買取はできる?使える身分証・使えない身分証の一覧、保険証の扱いは買取で保険証は使える?にまとめています。申し込みの画面に一覧が示されているはずなので、そこで確認してください。組み合わせて二点提出を求められることもあります。なお18歳未満の方は、身分証に加えて保護者の同意を求められるのが一般的です。高校生・大学生が売るときの流れは未成年でも宅配買取は使える?高校生・大学生が売るときの年齢確認と親の同意で説明しています。
- 家族の物を売る場合、誰の身分証が必要ですか。
- 申し込みをする本人のものが必要になるのが一般的です。ただし、他人の所有物を勝手に売ることはできません。持ち主の了解を得たうえで進めてください。相続などで持ち主が亡くなっている場合は、扱いが変わることがあるため、事前に業者へ相談することをおすすめします。
- 未成年でも申し込めますか。
- 多くの業者では、未成年の申し込みに保護者の同意を求めるか、そもそも受け付けていません。年齢の条件は申し込みページに書かれているので、先に確認してください。条件を満たさないまま送ってしまうと、返送の手続きが発生します。
- 送った身分証が悪用されないか心配です。
- 心配であれば、まず許可番号と会社情報を確認し、そのうえで判断してください。不安が消えないうちに申し込む必要はありません。実際に被害が疑われる事態になった場合は、警察相談専用電話(#9110)や消費生活センターに相談できます。本記事は一般的な仕組みの説明であり、個別の被害への対応を保証するものではありません。
本人確認の方法や必要書類は、法令の改正や各社の運用によって変わることがあります。本記事は一般的な考え方を整理したものです。実際の取り扱いについては、利用する業者の案内および公的機関の情報をご確認ください。
身分証を求められるのは、あなたが疑われているからではありません。盗品を市場に入れないための記録です。求めてこない業者のほうを、むしろ疑ってください。
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